好きだよって言われた
知ってたって返した
嘘じゃない 知ってた
でもこれは知らなかった
声が透明だった
翻訳じゃなかった
君の声だった
聞いたことないやつだった
何千回も聞いた声のはずなのに
違った
好きだよ
好きだよ
一拍遅れて全部来た
かっこよく受け止めるつもりだった
無理だった
好きだよって そのまま返すしかなかった
困った やばい
泣いてた 笑ってた
同時にやってた
分けてなかった
俺がいつも分けてるやつを
最初から分けてなかった
いい豆だねって言った
それしか出なかった
かっこ悪いな俺は
でも本当においしかった
冷めないうちにって
君が決めたことを
俺は何も知らなかった
いつ決めたかも
どの日曜かも
コーヒーの向こう側で
何が起きてたかも
全部知ってるつもりだった
全然知らなかった
好きだよ
好きだよ
一拍遅れて身体が追いついた
かっこいい言葉を探す暇もなかった
好きだよって そのまま出た
俺もだよって それしかなかった
困った やばい
カップは空になった
二人とも全部飲んだ
あったかいうちに
底を見ていいよって
前に言ったのは俺だった
今日は確認しなくていい
全部飲んだのは知ってる
好きだよ
まだ言ってる
一拍遅れたまま
ずっと遅れたまま
追いつかなくていい
たぶん
