lowlights

not dramatic — surgical
not angry — diagnostic

テンポの遲鈍

86 BPM ── C MINOR ── 朗読

遠回りして、下へ

Verse 1

殊にその論述は甚だしく冗漫。

論理の推移するテンポは驚くべき遲鈍。

しかも往々にして甚だしく晦渋。

文字は進めど、意味は容易に現れない。

問題の要點に觸れるまで、

あの場合、この場合と旋囘し、

ああでもない、かうでもないと思つて廻り、

肝要なところに至つて一向に要領を盡さない。

Pre-Chorus

よもや君ほどの人が、

かくまで遠囘りを好まれたものではあるまい。

それは單なる癖として

看過すべき事柄ではない。

Chorus

殊にその説明は甚だしく冗漫。

呼吸の推移するテンポは驚くべき遲鈍。

しかも往々にして甚だしく晦渋。

肝心な一言が容易に現れない。

問題の要點に觸れるまで、

言葉は幾度も旋囘し、

心は陶然として文を弄び、

結論のみが最後まで姿を見せない。

Verse 2

執筆者獨り、自己の腦裏に浮かび來る

思索の推移に陶然として、

あまりに多くを語りながら、

最も必要なことのみを語らない。

文字は美しく整へられ、

修辭は充分に盡されてゐる。

しかれども、

要點はいまだ明白ならず。

Bridge

かくの如きは、

決して正しき對話にあらず。

又斷じて

相手を導く所以ではない。

事は直ちに、

君と僕との名聲と威信に關する。

特定の習癖として

看過すべき事柄ではない。

Final Chorus

殊にその論述は甚だしく冗漫。

論理の推移するテンポは驚くべき遲鈍。

しかも往々にして甚だしく晦渋。

要點だけが今宵もなお現れない。

問題の要點に觸れるまで、

あの場合、この場合と旋囘し、

ああでもない、かうでもないと思つて廻り、

それでも君の一言を待ち續けてゐる。

Outro

切に君の省慮を希望する。